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 お釈迦様が説かれた法華経の中に、「眉間の白毫大人相の光を放ちたもう」という一節があります。仏の眉間に白く右に巻いた旋毛のことを指し、三十二相の一つに数えられるものです。説法の前にこの白毫から光が放たれたとされています。白毫銀針の名前に重ねて考えるとなんとも奥深いものが感じられ、白毫銀針が大変貴重なお茶であることが分かります

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 日本で中国茶がブームになって久しく、いち早く普及した烏龍(ウーロン)茶ジャスミン茶のほか、最近では龍井(ロンジン)茶普洱(プーアール)茶なども広く受け入れられるようになってきました。そうした中で現在、白茶というお茶が秘かにブームになりつつあります。

 白茶は日本では未だあまり馴染みがありませんが、中国では白茶は龍井茶や烏龍茶に比べて、茶ポリフェノールが多く含まれ、時間の経過とともに熟成が進み、「1年茶、3年薬、7年宝」と呼ばれ、大いに注目されつつあります。またヨーロッパの化粧品メーカーが白茶の成分を製品に採り入れるなど、白茶の持つ美容効果も着目されつつあります。味は清々しい上品な香りと甘み、僅かな渋みがあります。

 白毫では独特の味わいと高い保健効果を併せ持つ上質の白茶を廉価にて提供しています。是非一度ご賞味いただければと思います。

          新しい白茶

新しい白茶は龍井茶のように青々としています。

       3年程度経った白茶

 3年程度時間が経ったものはかなり熟成が進み、茶褐色で普洱(プーアール)茶のようです。

 

 


白茶を円盤状にしたもの

福建福鼎白茶を円盤状にしたもの。写真のものは2012年4月製造、大きさは350グラム±5グラム。

 

 

福建省福鼎産の白茶と他の産地の白茶について

 中国の白茶は福建省福鼎だけで生産されているものではありません。中国では北緯27度は「白茶ベルト」とも呼ばれており、同じ福建省だけでも、福鼎をはじめ政和、松渓、建陽などがすべてこの白茶ベルト=北緯27度前後に位置し白茶を生産しているところです。更には福建省以外でも、例えば安徽省の黄山白茶、浙江省の安吉白茶など福建省以外のところでも白茶という名のつく茶は作られおり、またもっと極端な場合には、元々白茶が生育・栽培されていなかった土地に業者が白茶を持ち込み栽培して販売するということもなされています。ただ例えば安吉白茶は名前こそ白茶ですが、茶葉の種類としては白葉一号という名の茶葉を使って、緑茶の加工技術により製造されたもので、茶種は白茶ではなく、緑茶に属するものです。

 ただ、それでは白茶という名前がつくものは、福建省、それも福鼎の白茶とその他の白茶は同じもの、つまり同じ味、同じ成分なのでしょうか。

 福鼎の地理は上記に挙げた土地の中でも極めて独特なものがあり、福鼎は中亜熱帯季節風気候に属しており、海洋性気候の特徴が顕著なところです。年間の平均日照時間は1,840時間、年平均気温は18.5度、そして年平均降水量は1,661.6ミリメートルです。また海洋と河川の流れの関係で水蒸気が反復して循環し、太姥山山麓では時として曇って霧が出たかと思うと、時には快晴となり清々しくなります。そして太姥山と西南、西北部の山では降雨量が比較的多く、年平均降雨量は2,112.3ミリメートルにも達し、茶樹の生育に大変適した場所と言えます。更に肥沃で酸性寄りの土壌は良い茶葉の生育に適していますが、福鼎の土壌はどこも茶葉の栽培に適しており、紅壌(red soil)をはじめ黄壌(yellow soil)、紫色土(purple soil)、沖積土(alluvial soil)など、そのPH値は4〜6.3で、どこも5.0前後となっています。そして窒素、リン、マグネシウム、カリウム、カルシウムなどの有機物が非常に豊富で銘茶生育の基礎を備えたところなのです。更に福鼎は渓水に恵まれており、河川、渓流が縦横に交わるところであり、水資源が大変豊富な上、水質も優れており、生態環境の大変良い所です。全市の淡水水域の面積は1,340.3平方キロメートル、地下水源も豊富な上、海洋面積も広がっているところです。

 こうした気候、生育環境は茶葉の品質に直接大きな影響を与える一番のキーポイントとなりますが、このような福鼎の自然環境の下、福鼎白茶の芽はふっくらとしてしっかりしているのに対して、例えば政和白茶の芽は細く痩せています。また福鼎の茶葉がより黄白色であるのに対して、政和のものはどちらかというと緑色に近く福鼎のものほど白くはありません。そしてそうした違いに加えて茶葉の乾燥の仕方も福鼎が専ら天日干しであるのに対して、政和では室内乾燥が主流となっています。こうした違いにより、福鼎白茶は甘みが強くふくよかなのに対して、政和白茶は花や果物が香るような感じが強く出ることとなります。

 一方、例えば中国のネット通販大手の淘宝などでも雲南産の白毫銀針が大変安く売られたりしていますが、そもそも白毫銀針とは福鼎と政和の茶農が自分たちで植えた白茶、それも春に最初に摘んだ茶葉に対して18世紀に白毫銀針という名前をつけたものであるのに対して、雲南産の白毫銀針は形状が福鼎や政和の白毫銀針に似ているだけで、両者のDNAは異なるものであり、その違いは大変大きなものと言えます。こうした点については、古く唐代の陸羽による「茶経」には既に福建省福鼎の白茶の記載があり、また中国農業百科全書で現代十代中国茶葉専門家の一人に挙げられている張天福は「福建茶史考」や「福建白茶についての調査研究」において、白茶は福鼎で最初に作られたものであり、福鼎こそ白茶の原産地であり主要生産地域であるとしています。このような違いは例えば中国の白酒である五糧液は四川省宜賓の銘酒ですが、同じ材料、同じ製法により他の土地で作ろうとしても宜賓と同じ五糧液は作れないと言われています。これはその土地の自然環境やそこにしかない酵素の要因などが関係しているとのことです。また類似の例を挙げれば、シャンパンとはフランスのシャンパーニュ地方で作られたものだけがシャンパンであり、他の地域で作られたものはシャンパンではなくスパークリングワインである、ということに近いと考えていただければ分り易いかも知れません。

 こうしたことと関連して、以前、お客様から頂戴したメールにも、同じ白毫銀針のはずなのに、以前口にした本当に美味しいものになかなか出会えない、というものがありました。恐らくは本当に美味しかったのは福鼎のものであり、その味を求めて同じ白毫銀針、白茶ということで、安吉白茶やその他の白毫銀針や白茶を随分と買い求め試されたそうですが、やはり思っていた味には出会えなかったそうです。

 単に白茶、白毫銀針ということでひとくくりにできるものではなく、色々と違いがあるということを申し上げたく縷々記載しました。当店で扱う白茶はどれも皆、福建省福鼎産のものであり、正に本来の白茶を味わっていたただけるものとして、皆様に強くお薦めする次第です。